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2012年4月2日(月)

甲賀もち工房

滋賀県甲賀市には水が豊かな土壌があり、昔からいいもち米が収穫できます。
かつては天皇陛下にも献上していました。
もち米は季節商品のため、1年を通した商品を販売したい思いで開発したのが「米粉」です。
甲賀もち工房はお餅料理専門の軽食屋「もちもちハウス」を経営しています。
店内では趣向をこらした多種多様なメニューがそろっています。
のり餅、あん餅の各種焼き餅は勿論、 おもちのピザ、小麦粉の代わりに米粉を使ったうどん・パスタ・クレープなど一風変わった珍しいメニューも提供されています。
特に注目を集めているのが「米粉たいやき」です。
あん入りの他、ウインナーとベーコン、チーズ、カイワレ大根などが入った「朝食たい焼き」は、 朝食を摂らない人や、小麦アレルギーの子どもに人気といいます。
週末には400個ほど売れて、生産が追いつかないほどだそうです。
米の自給率アップも目指す河合定郎社長は、今後ネット販売にも力を入れていくそうです。
朝食たいやきは、パリパリの食感が強く、甘みが抑えられた生地に、ウィンナーとチーズの香りと油がほどよく溶け込んでいました。
愛情が詰まった温かい味がしました。おいしかったです!

2012年3月26日(月)

弓削牧場

弓削牧場は、神戸の中心地から車で約20分のところにあります。
自家製チーズを使った料理が人気で、年間約3万人が訪れます。
弓削牧場のモットーは飼育している牛のミルクを使って「ここにしかないもの」を作ることだそうです。
看板商品であるフレッシュチーズをはじめ、チーズを練りこんだスコーンやケーキの食品。
この他にはチーズをふんだんに使ったフルコース料理の提供もしています。
またチーズを作る際にできる液体「ホエイ」を生かした石鹸や化粧品を製造するなどバラエティとオリジナリティにあふれています。
その豊富な商品群を生み出す原点は、社長ご夫妻の研究魂です。
国内で、まだカマンベールチーズが量産化されていない30年前のこと。
英語の文献を翻訳しながら夜な夜な研究し、2年越しで商品化にこぎつけました。
一般的な酪農家の収入はミルク販売ですが、
弓削牧場では加工品の売り上げがミルクの5倍に達するなど収益を上げています。
次なる一手として、牛の糞から出るメタンガスをエネルギーに変える研究をしています。
まだまだお二人の研究魂が鎮まることはありません。
私もカマンベールチーズを作らせていただきました。
作り方を教わっただけでなく、精神論まで伝授していただきました。
ものごとを成功させるためには、最後まで決してあきらめないで楽しむことだそうです。

2012年3月19日(月)

下村農園

3種類のいちごがイチゴ狩りできるという奈良県の下村農園。
イチゴの品種によって栽培方法が違うため、イチゴの食べ比べはとても珍しいそうです。
食べ比べ目当てに年末から5月の旬の時期は、下村農園に毎月500人がイチゴ狩りを楽しみに来ます。
かつて、奈良県は全国3位にもなったことがあるイチゴの産地です。
しかし、いまでは「あまおう」に代表される福岡や「とちおとめ」がある栃木に押されがちです。
現在奈良県はイチゴ産地復権を狙って、常に品種改良を行なっています。
年間4500種類を栽培する中で、10年に一度新品種が生まれるという地道な取り組みです。
そんな中、10年ぶりに昨年生まれたのが「古都華(ことか)」です。
古都華は、大粒で、甘みが強く、一房に成るイチゴの味のばらつきが少ないのが特徴です。
こうした新品種は、各農家にとってビジネスチャンスにつながっています。
下村さんは県外にまだ出回っていない古都華をイチゴ狩で提供していて、お客を増やしています。
私も3種類食べ比べしたところ、味、食感、香り、形が同じイチゴでもあまりに違うことにびっくりしました。
目でも楽しめて食べ比べできるイチゴ狩り、最高の贅沢ですね!

2012年3月12日(月)

速水林業

三重県尾鷲に甲子園球場260個分の森を所有する速水林業。
創業1790年以来、守り続けているのが「明るい森」。
木材の需要が年々低くなり、森を管理する林業業者が減って荒れた森が増えています。
速水林業では定期的に間伐を行っています。
どの木にも光の入り方を計算して太陽が当たるようにしています。
そして落ち葉や有機堆肥で腐葉土を作り、一本一本丁寧に育てています。
またいち早く木の運搬機械を導入して、作業効率を図ってきたことが強みといいます。
速水社長自ら林業の先進地域であるヨーロッパの機械を探して見つけました。
高額な機械投資の決断は、今後末永く林業を守り続けたいという思いだったそうです。
森林は、二酸化炭素の吸収機能や水を貯めこむダム機能などが兼ね備えており、
日本国内の総効果は70兆円にもなると日本学術会議で試算されています。
林業を営む企業に直接利益をもたらすものではありませんが、
速水社長は使命と感じて、今後も地道な森の管理を続けていくそうです。