過去の放送内容

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2011年5月23日(月)

旭電機化成

東日本大震災で、店頭で品薄になったもののひとつが「懐中電灯」です。
ライトだけでも100種類を扱う旭電機化成。震災後5日目には社長の決断で、広範囲が照らせる赤いボディーの「強力ライト」の再生産に踏み切りました。現在、国内企業には生産実績がなく、日本では既に廃盤状態でした。生産の中心地である中国にオーダーでは納品まで2ヶ月以上かかり、一刻を争うという理由でした。
入手困難な部品を探し求め、古い金型を持ち出してきて現行の機械でも動くように修復しました。そして、儲け度外視で5万個を生産し、被災地や全国の店頭に届けられました。製品に小さく刻まれた「MADE IN JAPAN」がとても輝いて見えました。

2011年5月16日(月)

道頓堀ホテル

世界4大人種を表すインパクトある4体の像がお出迎えしてくれるのは、1店舗経営を貫く老舗ビジネスホテルです。
利用する7割が外国人観光客ということもあり、スタッフは英語、韓国語、中国語などに対応、ベッドもひとまわり大きいものを使用。また無料の国際電話やレンタル自転車も配備しています。
ホテルは過当競争になると考え、特色を出すために約2年前に海外戦略を打ち出しました。特に韓国や中国などアジア圏への営業を強化しました。仲介業者を通さず、直接営業をすることでホテルの良さを伝えています。震災後、外国人観光客のキャンセルが相次ぎましたが、直接営業で日本は安全ということを訴えることで5月には集客が回復してきました。
日頃の地道な信頼の積み重ねと、顧客に直接触れ合うことが企業を支えるのですね。

2011年5月9日(月)

昭陽汽船

東日本大震災では、港湾も大きな被害を受けました。
物資を運ぶ大型船が港に着岸する時には、「タグボート」の補助が必要となります。阪神大震災を経験した昭陽汽船は、震災発生の翌日に被災地へ向かいました。現地では湾に乗り上げた船や、沈没した船などの引き上げなどを手伝いました。1ヶ月に及んだ派遣作業員の寝泊りはタグボート内で行いました。
期間中、13人もの作業員の1日3度の食事を任されたのは、入社したての20歳の若者でした。海上に停泊したままの船内生活は、精神的にとても厳しいものだったと推察されます。その彼へのインタビューは非常に印象的でした。
「自分が国のために何ができるかを実感した。今後も役に立ちたい」という言葉。
とても頼もしく感じ、受け答えの際の力強い眼差しが忘れられません。

2011年5月2日(月)

三井化学

ペットボトルやプラスチックなどの原料を作る総合化学メーカーの大阪工場を取材しました。
売上高1兆2千億円、国内6ヶ所に工場があります。その中の鹿島工場は東日本大震災の影響で操業停止に追い込まれました。
今回訪れた大阪工場では、自動車のバンパーや家電部品の原料となる「ポリプロピレン」などを製造しています。約1200人が働く工場の敷地面積は甲子園球場の40個分にあたる155万平方m²で、大阪府内で最大規模です。
震災以降、生産拠点を関西に移すメーカーが増えたためフル稼働となっています。化学素材の原料となる原油が高騰を続け、操業の向かい風となっています。これまで三井化学が転換原料として着目し、研究してきたのが、「天然ガス」。
天然ガスは輸入量も伸びていて、採取できる年数は原油よりも長いといわれています。さらに、価格も原油よりも安く、福島第一原発事故以降、注目を集めています。
未来を見据えた原料の開発・研究は続きます。

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