2021年8月27日(金)『68番目のお城』

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2020年3月22日、スポーツニッポンさんの在阪民放アナのリレーコラム『アナランド』に取り上げていただいたのですが、その時のお題が、「大阪城を見ながら発声練習 68番目に訪れる城も模索中」でした。 鉄道旅も好きですが、お城巡りに目覚めたとの話をさせていただきました。名古屋支社勤務時代は、名古屋城はもちろん、犬山、岡崎、岐阜、郡上八幡・・・。東京支社時代は、江戸城や小田原、世田谷城址などを巡りました。これまで訪れたことのある(天守などのない)城址含めたお城の数を数えてみると、取材を受けた当時「67」でした。さて、「68」番目は…といったあとに新型コロナ。しばらく、凍結状態だったのですが。



7月にウェストエクスプレス銀河取材で訪れた和歌山の新宮で、新宮城跡を訪ねました。コロナ禍で、運動不足の脚にはかなりハードな石の階段が続くのですが、ふと目の前に、きれいな石垣が現れました。しばし足を止めてしまう、素敵な積み方です!



新宮のお城には、自然の石をそのまま積み上げる「野面積み(のづらづみ)」ではなく、形を整えた石を使用する「切込み接ぎ(きりこみはぎ)」が多用されています。大阪城や江戸城(現:皇居)などの大きなお城で見られる手法です。武者返しの勾配もきつく、敵が攻め寄せても攻めにくい、戦略性の高いお城と推察いたします。



あいにくの曇り空でしたが、天守台や本丸があった頂上付近からの新宮市内、熊野川の眺めに、きのくにの奥深さを感じました。和歌山と言えば、徳川御三家のひとつ、紀州藩。江戸時代は「一国一城令」が出されていたはずですが、新宮に新たにお城が建てられました。城主は、徳川家から信頼の厚い水野家です。新宮には熊野三山のひとつ、熊野速玉大社があったり、熊野水軍の時代から交通の要衝であり、幕府にとっても重要な拠点であったことがうかがえます。



明治の廃城令により、残念ながら建物は取り壊されていますが、春には桜の名所として地元のみなさんに親しまれているそうです。安心して旅ができるようになったら、ぜひ訪ねていただきたい「一城」であります。