2023年4月21日(金)『ボクシング中継後記』

先日、生配信を行った「三田から世界へ21
ご覧頂けましたでしょうか?

どれも手に汗握る攻防の連続で、
全7試合のうち、5試合がKO劇という、
ボクシングの面白さ、そして怖さを痛感する興行でした。

ここからは、中継後記を少し。
私が実況を担当した
第5試合 松岡輝(大成)VS福井貫太(石田)
ジャブが得意な両者の対戦でした。
「まずは、ジャブでペースを握る」
その言葉通り、序盤は距離の探り合い。
しかし、徐々に構図が変わります。
松岡がやや強引に距離を詰めますが、福井が上手く対処。
攻守が変われば、福井が的確にヒットしていきました。
この距離感について、試合後、松岡に聞くと
「相手のペースで戦うと分が悪くなると思い、後手後手になる前に動いたけど、
自分の悪い部分が出てしまう結果になった」
「距離」を制した福井が実力者同士の戦いを制しました。

そして、第6試合では、
日本ランク4位 松岡新(大成) VS 日本ランク6位 井上夕雅(真正)が激突。
タイトル戦線を占う一戦は、
ボクシングの厳しさを感じる展開になりました。
序盤から、持ち前のスピードで先に手を出していく松岡に対し、井上は冷静でした。
開始早々、右のフックでダウンを奪うと、
その後も、深追いすることなく、虎視眈々と相手を倒せる機会を待ち、試合を締めくくりました。
解説の村井勇希さん(元日本バンタム級1位)は、
「試合開始早々のダウンは、ダメージが残りやすく、精神的にもこたえる」
松岡も、その後も積極的に前に出て盛り返しましたが、
「あのパンチで心が折れてしまう部分があった」と話します。

一瞬の判断、一瞬の駆け引きで試合が決まる。
ボクシングの恐ろしさと面白さ、両面を感じる試合でした。
選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。
また、素晴らしい試合を見せてください。