哲朗の直球ド真ん中!!

2023年7月17日(月)『ベンチリポーターデビュー』

「なんでアナウンサーになりたいと思ったの?」
就活時の面接や友人との会話でよく聞かれる質問です。

私がアナウンサーを志したのは中学生のころだったと記憶しています。
和歌山の御坊商工高校(現・紀央館)で甲子園出場経験のある祖父から野球を教わった私は、その祖父と高校野球やタイガースの試合を見に、たびたび甲子園に行きました。
ある日の球場で、バックネット裏に仮設された放送席が目に入り、「実況をしている人はあそこで喋っているんだ」「野球の試合を喋るのは楽しいだろうな」「どんな景色なんだろう」と次々と興味が湧いてきたのです。
今となっては、それがアナウンサーを目指したきっかけだったと思います。

「野球に関わる仕事がしたい」「甲子園で実況がしたい」「タイガース中継に携わりたい」。
そんな昔からの思いにまた1歩近づいた日が来ました。



6月6日のナマ虎スタジアム。
楽天モバイルパーク宮城での楽天対阪神の試合の中継で、初めてベンチリポーターを担当しました。
1塁側阪神ベンチと壁を挟んですぐ隣、グラウンドに続く通路奥に設けられたリポーター席で放送開始を待ちます。



その日の解説は福留孝介さんと岩隈久志さん。実況の福谷アナウンサーと遠隔でのマイクチェックを終えると、私の背後から「今日がデビューなん?」という声が。
振り向くと、そこには現役時代の背番号「3」を付け、タイガースのユニフォームを着た、関本賢太郎さんの姿がありました。
試合前に行われるOB対決イベントのため、バットとヘルメットを持って待機していらっしゃったのです。

関本さんは、私が少年野球時代につけていた背番号が3とあって、ものすごく応援していた選手。そんな関本さんが突然目の前に現れ、緊張やら嬉しいやらで感情がぐちゃぐちゃに。

「はい!この4月からテレビ大阪でアナウンサーをしています加守と申します!きょうデビューします!」と自己紹介すると、
「ベンチリポーターってほんま難しいよね。解説が2人だと、リポート入れるタイミングも難しくなるからね」と、私の不安な気持ちに親身に寄り添った温かいお言葉をかけていただきました。
「リポートを入れられなかったとしても、取材して得たネタは今後の自分のために絶対なるから。自信もって頑張りや!」
「はい!ありがとうございます!」
そう言うと、「よっしゃ」とヘルメットをかぶり、グラウンドへ向かう関本さん。
直後、球場に響き渡る関本さんの現役時代の登場曲。
「エ〜ビバ〜ディセ〜イ♪」
「せきもと!」
気がつくと、遠ざかっていく代打の神様に叫んでいました。

関本さん、試合前に緊張している私にあんなに温かいお言葉をかけていただき、心からありがとうございました。

関本さんのお言葉もあり、放送中は高揚しつつも冷静でいられたと思います。
リポーター席から試合を直接見ることはできませんが、モニターの映像と、耳から聞こえてくる放送席の会話を頼りに、なんとかリポートを入れることができました。
試合そのものを楽しむ余裕はまだありませんでした。いずれは試合を楽しみつつ、的確なリポートを入れられるようになりたいと、次の課題も見つかりました。

試合は惜しくも敗戦。
タイガースが勝てばヒーローインタビューも担当する予定でしたが、勝負事ですから、こればかりはその時の運です。
関西と遠く離れた宮城の地でのベンチリポーターデビュー。
忘れることのできない1日になりました。



後日、ベンチリポーターデビューを予告していた祖父に、感想を聞いてみました。
「リポートどうやった?」
「ごめん!聞き逃した!」
おじいちゃん!!頼むよ!!

私は、8月1日の中日対阪神(バンテリンドーム)のナマ虎スタジアムでもリポーターを担当する予定です。皆さん、ぜひご覧ください!
(おじいちゃん、次は気づいてね。笑)