第18回
犯罪と贖罪
~賠償しない加害者たち~
2024年8月31日放送
様々な事件が起きた1990年代。
家族を殺された被害者遺族には何の権利もなかった。
97年8月、長男聡至君を同級生ら10人による集団リンチで亡くした兵庫県の高松由美子さんや
その直前に起きた神戸連続児童殺傷事件の遺族、
土師守さんたちは2000年にできた全国犯罪被害者の会(あすの会)などで活動し、
犯罪被害者等基本法の成立や裁判への被害者参加制度、
5度にわたる少年法の改正など大きな成果を上げた。
しかしまだ解決していない大きな問題がある。それが遺族の経済的困窮。
日弁連の調べでは殺人事件では損害賠償額のわずか13.3%しか回収されていないことが分かった。
家族を殺され仕事もできない遺族のための制度はほとんどなく加害者の逃げ得になっている。
犯罪被害者給付金の最低額が今年6月320万円から1060万円へと引き上げられたが、
新あすの会は国が賠償金を立て替え加害者から徴収する制度、
そして被害者施策を一元的に統括する「犯罪被害者庁」の設立を訴える。
果たして新たな制度は実現可能なのか?