お茶どうぞ
2008 年 9 月 26 日 金曜日内モンゴル滞在中、取材班は様々な場所で食事をとりました。
街の食堂・ドライブイン・ホテルのレストラン・牧民の家…
どこでも席についた時に最初に出されたのがお茶です。
長時間にわたる取材の合間の休憩タイム。
ホッとひと息いきたいところですが、
内モンゴル滞在中、私はほとんどお茶を口にしませんでした。
その理由は…
内モンゴルで初めてお茶を口にした時の衝撃は忘れられません。
なんせ塩辛いお茶なんぞ、生まれてこの方お目にかかったことはなかったのですから…。
内モンゴルのお茶は、見た目と香りこそよくある中国茶ですが、その味は大違い。
塩味が効いているのです。
それも隠し味なんて生易しいものではなく、お塩がしっかり自己主張。
最初は色合い的にコンソメスープと思って飲もうと思いましたが、すぐに限界がきました。
日本のお茶の味が染み付いた体が順応しないのです。
綱沢Pと増田カメラマンの40代チームは
この塩辛いお茶が平気らしく、おいしそうにガブガブいってましたが、
私と音声の清水さんの30代チームは
わざわざ注いでくれた給仕の人や牧民に失礼にならないよう、
ほんの少し口をつける程度でした。
お茶が出ると恐る恐る口をつけ塩味かどうかを確認し
たまに普通のお茶が出てくると安堵の表情を浮かべる
私と清水さんの怯えようは、
現地の人々にはさぞかし滑稽に映ったことでしょう。
さらに驚きだったのが、内モンゴルの牧民たちのお茶の飲み方です。
牧民はこれに羊のミルクを入れてミルクティーにして飲むのですが、
塩味のミルクティーよりも衝撃的だったのが、その「食べ方」でした。
牧民たちはこの塩辛いお茶の中にチャオミーと呼ばれる穀物と
茹でた羊肉をいれてお茶漬けのようにして食べるのです。
ドライバーの“正蔵師匠”ことウーさんは「これが一番おいしい」と言っていました。
増田カメラマンも同じようにして何杯もお代わりし
すっかり現地の人に同化していました。
中国ではお店で売られているペットボトルのお茶が
砂糖入りで甘いというのも驚きでしたが、
塩辛いお茶はどうやらモンゴル族だけの文化のようです。
隣の寧夏回族自治区や上海のレストランでは普通の中国茶が出てきました。
郷にいれば郷に従えといいますが、
お茶というごく身近な食文化なほど
順応しにくいものだと感じたのでした…