2008 年 7 月 30 日 のアーカイブ

5日目: おじいさんとの別れ

2008 年 7 月 30 日 水曜日

天気はすっきりしていませんが、全員二日酔いもなく集合し、まずは移民村へ。トゥヤさんとアイラゴンちゃんが迎えてくれました。プルダさんは昨夜のうちにおじいさんのところに行って留守です。いつもは旦那がいるので少し遠慮しながら話すトゥヤさんですが、この状況ならきっといろいろ話してくれるに違いありません。移民村に移ることを初めて聞いたときの心境?お父さんとはその時どんな話をしたのか?1人残してくることにためらいはなかったか?さらには放牧のないここの生活に満足しているのか?放牧はモンゴル族の文化ではないのか?といった本質的な部分にまで踏み込んで聞いてみました。前回プルダさんに聞いた時は、黙り込んでしまったのですがトゥヤさんはしっかり自分の思いを話してくれました。(詳しい内容は番組で)

午後はおじいさんの家に移動、砂漠の道を走っていくと途中で天然ガスの開発が行われていました。今ウーシン旗は天然ガスバブルともいえる開発ラッシュで、急成長しています。その波はおじいさんの住む砂漠のすぐそばにまでやってきていました。


おじいさんの家 周りには美しい花と草原


4月何もなかった土地がこんなに美しく

おじいさんの家に着くとまずはあまりの草原の美しさにビックリ、4月の時は何もなかったところが見事に色とりどりの花と草、そしてそこに放たれた羊たちで埋め尽くされています。おじいさんがこの地を離れたくない気持ちが分かったような気がしました。天気がよければさらに美しい景色が見れたのでしょうが・・・おじいさんはいつものようにオーバーアクションで歓迎してくれます。前回トウモロコシの根っこを拾っていた場所は一面トウモロコシ畑に、その他、ネギやジャガイモも作っています。それを使って昼食を作ります。これぞ完全な自給自足。収入が少なくてもやっていけそうです。


外で調理を撮影


ホイツァイを作る

息子のプルダさんは父親であるおじいさんに移民村に来るよう勧めていますが、やはり彼の意思は固く「何年かしてどうしようもなくなったらいくよ」という答え。しかし見事な草原もその回りには砂漠が広がっています。果たして禁牧でこの回りの砂漠は草原に戻るのでしょうか?

取材が終わりいよいよおじいさんとお別れです。アポなしで突然訪ねてくる異国の撮影隊をいつも大歓迎してくれたおじいさん。もう会うこともないかと思うとちょっと寂しい気持ちになります。1人ずつおじいさんと一緒に写真を撮って出発しました。いつか息子さん家族と暮らす日がくることを祈ります。


みんなが大好きなおじいさんと記念撮影

再びウーシン旗へ移動、移動中、テレビ大阪本社の田中報道スポーツ局長から電話が。海外にいて日本から電話がある時は大体がよくないことなので一瞬の間にいろんなことが頭をよぎりましたが、実は去年のシリーズ第1弾、「甦るシルクロードの大地~中国・新疆ウイグルへの夢~」が※第4回日本放送文化大賞の近畿地区審査の結果、中央審査提出番組に決定したといううれしい知らせでした。前回もほぼ同じスタッフだったのでみんな大喜び。中央審査の発表は10月28日です。

夜は再びダプ局長たちとの宴会。しかし昨日の疲れがみんな残っていて全く盛り上がらず。ダプ局長も途中で退席し、お開きとなりました。明日からは大移動が待っているので早めに就寝です。

※注
日本放送文化大賞とは、日本民間放送連盟が、質の高い番組をより多く、制作・放送することを促すことを目的に、2005(平成17)年に制定した賞。 視聴者・聴取者の期待に応えるとともに、放送文化の向上に寄与した”と評価される番組を顕彰し、グランプリ1番組、準グランプリ1番組を選定。
全国7地区で地区審査を行い、中央審査に提出する候補1番組(グランプリ、候補番組)を選考した後、中央審査にてグランプリおよび準グランプリを決定。