2008 年 7 月 27 日 のアーカイブ

2日目: 村のナーダム前日

2008 年 7 月 27 日 日曜日


見渡す限りの砂漠

朝、銀川から取材車でオルドスへ。途中、見事な砂漠を見つけました。坂本さんいわく、こうなったら植林は不可能。しかしこれがオトク旗のすぐ西に迫っているのは紛れもない事実です。途中、勝手に道にゲートを作って通行料をとる輩がいました。引き返して別の道を通るとかなり時間がかかります。私たちの運転手(児島記者のブログ参照)はかなり支払いを渋っていましたが、次々と通る車はスイカを渡したり、弁当を渡したりとどうやら現金でなくてもいいようです。結局20元払って通過、以前同じ光景をインドネシアでも見ましたがやはり考えることは同じなんですね。


銀川→オルドスへの道

6時間ほどかかってナレンファさんの村、スージーガチャへ到着しました。今回のロケの目的の一つがこの村で5年ぶりに開かれるモンゴル族の夏祭り、ナーダムです。

明日が本番、きょうは集会所で準備風景を撮影する予定でしたが、着いた時からナレンファさんの様子が変です。いやな予感がしているところに彼女が坂本さんと金さんを呼んで集会所の中へ。実はオトク旗政府から外国人記者をナーダムに入れないようにという通達があったとのこと。それでも何とかがんばってくれて 政府の幹部が来る午前中はおとなしくして、昼に彼らが帰った後に撮影することに。ナーダムの象徴でもあるモンゴル相撲や競馬は午後なのでそれで十分でした。感謝。

さて、夜8時ごろトラックに載せられて羊たちが集会所に。明日のナーダムには500人以上の人が集うとあって30頭もの羊が調理されるのだそうです。その時がやってきました。


連れて来られた羊


イスズ?スズキ?

裸電球2つの明かりの下、「メ~」と鳴きながらトラックから降ろされた羊を、牧民が足をもってお腹が上になるようにひっくり返します。不思議なことにこれ以降、羊は鳴くことも抵抗もしません。自らの死を覚悟したようです。モンゴルナイフで腹を縦に切り、そこから手を入れて心臓近くの動脈を切るとスーっと眠るように意識を失っていきます。「厳かな死」です。そして横ではその様子を子どもがじっと見ています。血の一滴までも無駄にしない、羊を敬う気持ちはこうやって脈々と受け継がれているのだろうなと確信しました。


裏返された羊は全く鳴かない

30頭全ての羊の解体が終わったのは午前5時だったそうです。この日はナレンファさんの家に、部屋とソファーに分かれて就寝。