2008 年 7 月 のアーカイブ

3日目: ふんだりけったりのナーダム

2008 年 7 月 28 日 月曜日

さあ、今日はナーダム!初めてみるナーダム、ウキウキ気分で集会所へ。昨夜の羊はすでに調理されていました。ナレンファさんに迷惑かけてはいけないので午前中の取材は控え、会場でスタンバイ。


村の集会所


昨夜の羊は料理に

しかしいつまでたっても旗(県)政府の幹部が揃いません。日本ならば欠席のまま始めるのでしょうが、ここではエライ人を差し置いて始まることはありません。結局9時か10時に始まる予定だった幹部挨拶が午後1時にようやく始まり、炎天下の中取材班はすでにぐったり。そして幹部が帰り、これからイベントという時に何と雨が。それもかなり激しい雨です。4月以降3日しか雨が降っていないということですから何という運の悪さでしょう。


4時間待ちでグッタリ

雨の中、競馬は始まりましたがモンゴル相撲は中止になりました。モンゴル相撲がないナーダムなんて…期待が大きかっただけにショックも大。そういえば4月に来た時も雨が降りました。本当に降水量が減っているのかと疑いたくなります。


ナーダム 雨の中の競馬

午後6時ごろようやく雨が上がり、そこから舞台で様々な演芸が始まりました。漫才あり、歌あり踊りあり、いつまで続くのか?4時間待ってようやくナレンファさんが踊りで出演です。夏だというのに寒い寒い、体感温度は15度以下でしょうか。


演芸会


ナレンファさん 渾身の踊り

午後11時過ぎ、ほとんど待ち時間だった長い1日が終わり撤収、ご飯もないので坂本さんも含めみんなで袋入りのインスタント麺にお湯をかけてほぐして食べました。それでも暖かいものを口にできて幸せでした。。。この日もナレンファさんの家で雑魚寝です。

2日目: 村のナーダム前日

2008 年 7 月 27 日 日曜日


見渡す限りの砂漠

朝、銀川から取材車でオルドスへ。途中、見事な砂漠を見つけました。坂本さんいわく、こうなったら植林は不可能。しかしこれがオトク旗のすぐ西に迫っているのは紛れもない事実です。途中、勝手に道にゲートを作って通行料をとる輩がいました。引き返して別の道を通るとかなり時間がかかります。私たちの運転手(児島記者のブログ参照)はかなり支払いを渋っていましたが、次々と通る車はスイカを渡したり、弁当を渡したりとどうやら現金でなくてもいいようです。結局20元払って通過、以前同じ光景をインドネシアでも見ましたがやはり考えることは同じなんですね。


銀川→オルドスへの道

6時間ほどかかってナレンファさんの村、スージーガチャへ到着しました。今回のロケの目的の一つがこの村で5年ぶりに開かれるモンゴル族の夏祭り、ナーダムです。

明日が本番、きょうは集会所で準備風景を撮影する予定でしたが、着いた時からナレンファさんの様子が変です。いやな予感がしているところに彼女が坂本さんと金さんを呼んで集会所の中へ。実はオトク旗政府から外国人記者をナーダムに入れないようにという通達があったとのこと。それでも何とかがんばってくれて 政府の幹部が来る午前中はおとなしくして、昼に彼らが帰った後に撮影することに。ナーダムの象徴でもあるモンゴル相撲や競馬は午後なのでそれで十分でした。感謝。

さて、夜8時ごろトラックに載せられて羊たちが集会所に。明日のナーダムには500人以上の人が集うとあって30頭もの羊が調理されるのだそうです。その時がやってきました。


連れて来られた羊


イスズ?スズキ?

裸電球2つの明かりの下、「メ~」と鳴きながらトラックから降ろされた羊を、牧民が足をもってお腹が上になるようにひっくり返します。不思議なことにこれ以降、羊は鳴くことも抵抗もしません。自らの死を覚悟したようです。モンゴルナイフで腹を縦に切り、そこから手を入れて心臓近くの動脈を切るとスーっと眠るように意識を失っていきます。「厳かな死」です。そして横ではその様子を子どもがじっと見ています。血の一滴までも無駄にしない、羊を敬う気持ちはこうやって脈々と受け継がれているのだろうなと確信しました。


裏返された羊は全く鳴かない

30頭全ての羊の解体が終わったのは午前5時だったそうです。この日はナレンファさんの家に、部屋とソファーに分かれて就寝。

1日目: 内モンゴルロケ夏の陣 波乱の幕開け

2008 年 7 月 26 日 土曜日

朝6時半、テレビ大阪集合。実は取材ビザが出たのは2日前。中国は去年、オリンピックに向けて取材規制を緩和しました。ところが各地で暴動が起きるなど不穏なムードが流れる中、実際にはむしろ厳しくなっています。行く前から何となく嫌な予感が・・・ 9時30分発、中国国際航空の飛行機に乗ってまずは上海へ。浦東空港で乗り継いで今日中に寧夏回族自治区の銀川まで行く予定です。

と、途中で機内のアナウンスが・・「上海の空港が閉鎖になっているので杭州に向かいます」 エ~!杭州は上海から200キロ。どんなに車を飛ばしても2時間はかかります。飛ばすと命が危ないので安全運転で行けば3時間、とても午後1時10分発の飛行機には間に合いません。いきなりの衝撃に途方に暮れていると再びアナウンス「虹橋空港に向かうことになりました」。虹橋空港は上海の主に国内線で利用される空港で浦東空港までは車で1時間ほどのところにあります。これなら間に合うかもしれません。11時すぎに虹橋空港に到着。


いきなり到着地変更

11時35分、ジャンボタクシーにのって「急いで!」というと運転手の「45分で行ってやるよ」との頼もしい言葉が返って来ました。その言葉通り12時20分浦東空港に到着、まだ50分あります。やっとのことで金さんと坂本さんの姿を発見。間に合った!!しかしここでまたまた衝撃が、「銀川行きの飛行機は1時間遅れてます」。早く言ってよ・・・


モスクがあちこちに

そして、寧夏回族自治区の銀川へと飛びました。オルドスとは隣り合わせの町ですが、ムスリム(イスラム教信者)回族の町だけあってモスクもあちこちにあります。さて、今回のロケにはもう一つ衝撃の事実がありました。前回取材活動に全面協力してくれたオトク旗の包局長が取材をOKしたことで政府から相当怒られたそうで「今回は関われない」と言ってきたのです。オリンピック間近のこの時期に外国人、特に記者が来てもしも変なことでも取材されたら大変だということでしょう。ということで、オトク旗でやるはずだった空撮はあきらめ明日は一気にナレンファさんのところまで行くことに。「そっちまで影響がいってなければいいが。。」と考えながら今日は就寝です。