‘2008年7月~8月 ロケ’ カテゴリーのアーカイブ

10日目: 再び大移動

2008 年 8 月 4 日 月曜日


ハイラル→フフホト 3列しか座席がない飛行機

今日は早朝から再び大移動。7時出発でまずはハイラルの空港へ。私は朝からひどい下痢で口をきくのもだるい状態でした。同じく昨日エビを食べた増田カメラマンも少しおかしいようです。飛行機でフフホトに飛び運転手と再会、車で東勝へ向かいます。

その途中、前回雨できれいに撮れなかった石炭の露天採掘場へ向かいました。ところが着いてみると前回とは全く違う景色が広がっています。この前来た時は石炭の地層が見えて採掘しているところが見えたのですが、地形が全く変わっていて石炭の層も見えません。

たった3ヶ月でこんなにも変わってしまうのかというほど早い開発です。結局撮影は断念しホテルに行くことに。ところが今度はここまでがんばってきた取材車に異常発生、エンジンの温度が最高を指しています。オーバーヒートです。しばらくエンジンを切ってみましたが30分たっても温度に変化はなし。ここで音声の清水氏が「水がないんじゃないか?」と言うと運転手は「いや水はある。問題は床に泥が詰まって通気が悪くなったことだ」と主張。この人だけでなく中国の運転手はいい人が多いのですが、プライドが非常に高くたとえ道を間違っても絶対に認めようとしません。今回も私たちから指摘されたのがおそらく悔しくて認めたくないのだと思います。金さんが説得してラジエータと開けると案の定水が全くありません。幸い持っていたミネラル水を3本入れると見る見るうちに温度が下がっていきます。それでも彼は「水は原因ではない。床の泥が・・・」と最後まで言い張りました。ここまでくると脱帽です。
夕方東勝に到着、坂本さんと合流しました。坂本さんがいつも泊まっている東勝大酒店に宿泊です。この日の夜は、スチントウさんも来て明日からの予定について話しつつ私の大好物羊肉のしゃぶしゃぶを食べました。しかし私はとても食べられる状態ではありませんでした(涙)

9日目: 念願のモンゴル相撲

2008 年 8 月 3 日 日曜日


モンゴル衣装に身をつつむ参加者たち

いよいよ、ロケも後半戦に突入。きょうはナレンファさんのところで雨のため撮れなかったナーダムのモンゴル相撲の撮影です。本当に運がよく、たまたま近くの町で大きな大会が開かれていたのです。またまた車で3時間ほど走り午前11時過ぎに会場へ到着しました。競馬は早朝4時から行われていたらしくすでに終わりかけていましたが、モンゴル相撲はまさにこれから始まるところでした。


激しい戦い

大群衆が取り巻く中、大会責任者に交渉し増田カメラマンと私が中に入れることになりました。参加者はおよそ130名。朝青龍のようなごっつい人もいればひょろひょろの人もいて最初は大人の部と子どもの部があるのか?と思ったほどです。試合開始!トーナメント戦で試合は進みます。土俵はなく手やひざを着いたら負けです。豪快な投げ技が出ると観客が沸きます。試合は決勝まで4時間続きました。

さて、中に入ったのはいいものの、カメラマンは暗黙の了解でどこにいてもいいのですが、私は居場所に困ります。どこに行っても誰かの視界を遮ってしまいます。ちょっとでも立とうとすると後ろから 容赦なくペットボトルが飛んできます。結局炎天下の中4時間、ダルマのようにじっと座っているしかなく、ただめちゃくちゃ日に焼けました。。ベスト8決定後、一時試合は中断、午前中に行われた競馬の表彰式がなぜかモンゴル相撲の会場で行われました。あまりの人の多さに馬はビックリして暴れ始めました。観客が逃げ惑う大混乱の中、何事もないように景品が渡されていきます。優勝者には小さなポータブルテレビが、準優勝者には携帯が渡されました。どうして今ここで表彰式をやるのか?その答えはその後分かりました。

混乱が収まるといよいよ準々決勝、ここまで来ると皆、すごい体格です。筋肉隆々の人もいれば推定体重130キロぐらいの人もいて、会場の盛り上がりも最高潮です。

結局、優勝は筋肉隆々の人でした。決勝で勝負がついた瞬間に、観客は一斉に帰ります。誰も表彰など見ようともしません。ベスト8の時点で馬の表彰をやった理由がようやく分かりました。この日の夜は、政府の人と久々の白酒。この席で食べたエビがおそらく原因だと思うのですが翌日大変なことになりました。

8日目: モンゴル国境の湖

2008 年 8 月 2 日 土曜日


ベイラル湖 対岸はモンゴル国

朝から美しい湖の撮影に出発、ベイラル湖という国境の湖で対岸はモンゴル国です。ただガイドさんは良かれと思って連れて行ってくれたのだと思いますが、何でもないごく普通の湖です。去年新疆で行ったカラクリ湖やカナス湖のような大自然をイメージしていた取材班は完全に拍子抜けでした。3時間もかけて行ったのですが5分ほどで撮影終了。湖よりも面白かったのは途中で見た石油の開発です。最近この辺りでも開発が盛んになっていていて草原の中を場違いな派手なオレンジ色のパイプラインが延々と横切っています。そのパイプラインを羊の群れが越えていく風景にはものすごい違和感を感じました。ただ途中で見た馬の群れの水浴びはアフリカのオアシスのようで圧巻でした。


馬の群れの水浴び

ホテルに帰ると公安が来ていました。どこに撮影に行ったのかガイドにしつこく聞いています。「ノモンハンには行ってないか?」という声も聞こえます。この辺りは旧満州国、ノモンハンでは国境線をめぐって日本軍、モンゴル軍、ロシア軍が交戦しました。私たちは草原を撮りに来ただけですが、やはり疑われているようです。今日のところはガイドが何とかうまくやってくれましたが、ここにもあまり長居しないほうがよさそうです。