アジアスペシャル 黄砂を止めよ!砂漠に挑む日本人~中国・内モンゴル 放牧と緑の10年記~

ナレーター:大杉漣 大杉漣さんからメッセージ動画が届いています

中国の地図

猛スピードで進む内モンゴルの砂漠に挑む一人の日本人

毎年、春先になるとニュースになる黄砂。今年5月8日、大阪も黄砂に包まれた。
その黄砂の発生源の一つとなっているのが中国・内モンゴル自治区の砂漠化地域。
9月には黄砂翌日には心筋梗塞が増えるという衝撃のデータも発表された。
内モンゴルの砂漠化のスピードは毎年大阪府1個分という猛スピードで、すでに中国の5分の1は砂漠と化した。
砂漠化の原因は気候変動、農地の乱開発、そして最も大きな原因とされるのがヤギの過放牧。内モンゴルオルドス地方のカシミヤは世界でも最高級として知られ、牧民たちはこぞってお金になるカシミヤヤギを放牧、ところがヤギは草を根まで食べてしまうため砂漠化が進むのだ。

その状況を打開しようとかつてオルドスで日本語教師をしていた1人の日本人、坂本毅氏は単身で内モンゴルへ。日本で内モンゴルの塩を売り、その利益の一部を緑化に投入、緑化が一時的なものにならないよう現地の人々の収入をアップさせようと奔走している。その強い思いの源は何なのか?
一方、中国政府は、モンゴル族の牧民に禁牧令を出し場所によっては放牧を禁止に。インフラが整備された生態移民村を建設し、土地を与え、牧民を移民させようと試みている。緑が回復する可能性がある土地から人もヤギも離してしまう対策に乗り出した。

2008年、北京オリンピックの年に私たちは坂本氏の活動と現地の人々の植林の様子に1年間密着。さらに、日本のテレビでは初めてとなる生態移民村に暮らすモンゴル族家族と、移民を拒んで砂漠に1人残る、年老いた父親を取材した。

それから10年、緑化と移民村の家族の現在は?

それから10年、再び坂本氏や移民村の家族を追った。坂本氏の私生活は大きく変わり、今はオルドスの教え子とともにあるプロジェクトを実行している。そしてあの移民村に暮らすモンゴル族の家族と砂漠に残った父親は・・・
中国の砂漠化は食い止められているのか?禁牧の今、モンゴル族伝統の遊牧文化はなくなってしまうのか?砂漠化対策をめぐる放牧と緑化の10年を追った!