あまりにも過酷な不妊治療の現実 日本では今、6組に1組が不妊治療の経験をし、20人に1人の子どもが体外受精で産まれていると言われている。

また、不妊の原因は女性だけにあるのではなく、半分は男性にもあることがわかっている。これだけ一般的な治療になっているものの、後ろめたさを感じ、周りに相談しづらいまま治療を受けているという人は多い。それでも、どうしても自分たちの子どもが欲しい。今回、妊活を始めて3年が経つ夫婦に密着取材した。体外受精をすれば子どもはきっとできる、そう思っていた夫婦。しかし待ち受けていたのは、過酷な不妊治療の現実だった。

体外受精からの出生率はたったの6.2%

年齢が若ければ妊娠できるという訳ではない。そのため夫婦は食事や運動など、日常生活でできる限り妊娠しやすい体作りのための努力をしてきたが、なかなか妊娠しない。しかし、同じ悩みを持つ患者たちが妊娠してどんどん病院から去り、新しい顔ぶれになっていく。自分たちだけがずっと病院にいて同じ場所で止まっている、その取り残されていく感覚に陥ってしまう。


WHO、不妊は病気と定義

フランスでは・・・・・不妊治療は今、世界の医療分野において大きなテーマのひとつだ。WHOは2009年に不妊は病気であると定義した。世界が取り組むべき医療分野であると認めたのだ。あまり知られていないのは、日本が不妊治療の実施件数で世界一だということ。ところが、不妊治療からの出生率は世界最低水準なのだ。医療レベルの高い日本がなぜ?それならばと、日本と同じように女性の社会進出が進む国に、不妊治療への同様の悩みの解決法を探ろうとしに向かった。しかし、世界では国を挙げて、想像しえない不妊治療に関する取り組みを行っていた。そして、私たちが考える不妊治療には、大きな勘違いがあることがわかった。


強まる絆。そして

体外受精をするも、なかなか妊娠しない夫婦。不妊治療は夫婦で病院に行かなければならないことが多い。しかし、どれだけ同じ時間を過ごしても妻の負担の方が遥かに大きく、痛みや精神的な苦痛も、夫は経験することができない。妊娠しなかった時の衝撃も妻の方が大きい。すぐ傍で何とか支えようとする夫。自分も辛いが妻はもっと辛い。子どもが欲しいが、精神的な負担になるから言えない。その色々な感情を押し殺して必死に妻を支えようとする。妻もそんな夫の気持ちに気付き始める。夫婦は不妊治療を始めたことで、絆が強くなっていった。果たして夫婦は、子どもを授かることができるのか。