大阪・日本橋にある国立文楽劇場の十一月文楽公演で、次代を担う文楽の若き旗手、人形遣いの吉田簔紫郎、太夫の豊竹希太夫、三味線の鶴澤寛太郎が舞台に上った。
若くして文楽の世界を目指した理由、文楽の魅力、文楽を通して何を伝えたいのか。若き旗手3人がその胸の内を語る。
小学生時の文集で文楽を目指すと書き、中学1年生で文楽の世界へ入門。
高校へは行かずに文楽一筋。
黒衣姿で足を操る足遣い15年、左手を操る左遣いで10年、そして顔を出して人形の
首
・右手を操る主遣いと言われる中で、師匠、兄弟子達から望まれて足遣いで21年経験した。
この事があったから、今日の自分があると言う。
1975年5月生まれ。42歳。
師匠は吉田簔助(よしだ・みのすけ)。
2018年2月「うめだ文楽」に出演予定。
小さい頃から芝居、舞台にあこがれていた。母親は岸和田出身で宝塚ファン。
その影響が大きかったかもしれない。
ただし宝塚を見たのは、希太夫自身は1回だけと言う。
日本美術が好きで、時間があれば稽古の合間に美術館めぐりをしている。
大学卒業後一般企業を経て入門。
今は型を覚えている最中。
義太夫は60歳以降がスタートだといわれている。
楽器を作っていく段階。
楽器とは、登場人物によって声の出し方、音の高さ、 調子が違う。その一つずつを覚え、身につけること。
1978年11月生まれ。39歳。
師匠は豊竹呂太夫(とよたけ・ろだゆう)。
2018年2月「うめだ文楽」に出演予定。
小学4年生で文楽をやりたいと祖父・鶴澤寛治(人間国宝)に宣言。
小学5年生で三味線を習い、小学6年生で鶴澤寛太郎の名前を得る。
中卒でやりたかったが、祖父、父から反対を受けて高校へ入学。
デビューしてすぐ、中学高校に通っている間は文楽がいやでしょうがなかった。
学校にも劇場にも自分の居場所がなかった。何をしていいのか分からない状態。
2つのものを同時に出来ない性分で、中途半端に学校へ通いながら三味線をやりたくなかった。
師匠の三味線の音が好きで、ああなりたいと思っている。
1987年6月生まれ。30歳。
師匠は鶴澤寛治(つるざわ・かんじ)。
2018年2月「うめだ文楽」に出演予定。