ワクチン投与

テレビ大阪 特別番組 感染症ポリオ 残り1%の闘い

2011年7月18日(月・祝) 午前10時30分 放送

 ポリオ、正確には急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん)と呼ばれる病。主に5歳以下の子どもの感染が多かったことから、日本では小児麻痺の名で知られている。発症すると急速に腕や足が麻痺し、生涯にわたって体の自由を奪う病だ。最悪の場合は、命に関わることもある。
 日本では1960年におよそ6,500人が発症する大流行に見舞われたが、その後、ワクチンの定期摂取が制度化され、1980年を最後に自然感染はなくなった。1988年、WHO総会で2000年を目標に「ポリオ根絶計画」が決議された。ワクチンの普及も進み、1988年当初、125ヵ国30万人を超えていた感染者数は、2001年までに10ヵ国481人まで減少した。  しかし今尚、ポリオに苦しむ子どもたちは存在し、その根絶に向け地道な努力を続けている人たちがいる。この番組は、今年2月にWHOがインドで行ったワクチン投与活動に参加した、ある日本人の姿を追ったドキュメンタリーである。
インドでのワクチン投与活動に参加した日本人
小児科医 青森在住 今回の活動の中心人物。10年前、夫婦でインドのNIDに参加し、現地のロータリー会員とのネットワークを築き、独自の交流を続ける。現地の状況をその目で確認し、あるべき支援のかたちを模索してきた。
消化器内科医 大阪在住 貧困国で医療奉仕活動を行った経験からポリオ撲滅への関心が生まれた。これまでも寄付のための資金集めを日本で行ってきたが、現地の状況を知らないと説得力がないと感じ、今回関場氏の誘いに応じて参加することになった。
看護師 沖縄在住 ロータリー財団国際親善奨学生として、スコットランドに留学。国際保健を専攻し、ポリオ撲滅運動のあり方を研究。将来的には開発途上国で医療に関わる仕事に就きたいと考えている。
野生のウイルスを根絶し、自然感染の恐れがない日本だが、実はここ10年で14人の子どもがポリオに感染している。原因は感染を防ぐために使われるワクチンにあった。日本で使われるワクチンは、生きたウイルスの毒性を弱めた生ワクチンと呼ばれるものだが、100万人に2・3人ほどの確率で、ワクチンのウイルスによってポリオに感染する可能性がある。先進国でこの生ワクチンを使い続けているのは、日本だけであったが、今年5月、厚生労働省はようやく海外で実績のある不活化ワクチンを2012年度に承認・導入することを発表した。