中山道と北国街道が通る長浜戦国武将たちの盛衰をみつめてきた湖北の町だ。
たとえば浅井長政(あざいながまさ)。北近江を治めていた長政は、時の権力者織田信長に反旗を翻しこの地で激突。信長の軍3万5千と長政の軍1万8千がこの川を挟んで対峙したのだ。
激しい戦いが続いた。しかし結局、長政はここ小谷(おだに)の城で自ら命を絶った。
悲運の長政にとってかわったのがこの男・・・。
長浜の地にそびえ立つこの城こそ豊臣秀吉が夢にまで見た初めての居城。
後に天下統一を成し遂げた秀吉。まさに、輝ける勝者の城だ。
さらに秀吉は長浜の町の生みの親として、その死後まで町民たちにあがめられたという。
長政と秀吉。黒壁の町は、戦国の世の光と影を知っている。
重厚さと落着きを感じさせてくれる壁や屋根の黒。
黒い色素を使わずに作った塗料があるのをご存知だろうか。
赤と緑を混ぜて完成した新しい黒は、通常の黒よりも赤外線の反射率が高いという。
屋根に塗ると、夏の強い日差しを跳ね返すため、室内は快適な温度に保たれるのだ。
黒壁の町の黒にも負けない。