これまで番組で取材した企業は113社以上。最終回はスペシャルゲストに、ナイキやトヨタのCMで有名なコピーライター神谷幸之助氏を迎える。神谷氏は、過去7回番組に出演。中小企業の取材を担当してくれた。彼の鋭いコピーで、突破力のある会社の秘密を探り出し、番組の最後に中小企業にエールをおくってもらう。
今回、追加取材を加えて紹介するのは、過去に取材した2社。「カレーラムネ」やおむすびに合う「たくあんコーラ」等々、おもわずSNSで呟きたくなる珍飲料をつくる「木村飲料」。2015年春に神谷氏に取材してもらった会社だ。追加取材した我々は、木村英文社長から嬉しい便りをいただいた。
前回の取材で、神谷氏に贈ってもらった「迷ったらおもしろい方へ。」が企業理念になったという。「不味いは褒め言葉!」等、名言(迷言?)を繰り出して話題になってきた会社が、迷いなく「おもしろい」に特化してパワーアップしたという。そして、今年開発した新製品は「桜えびサイダー」。スタジオで試飲した尾上松也と神谷さんの2人は思わず「マズイ!」と苦笑い。
木村飲料は美味しいよりおもしろいを優先したのだ。神谷さんは言う「この会社が作っているのは、飲み物を使った劇場。すなわちエンターテインメント産業だ。」世の中の常識を打ち破ることで、独自の道を拓き脱下請けに成功したのだ。
次の会社は、注文から2年待ちの「魔法のフライパン」を作った錦見鋳造(三重県桑名郡)。「嫌なら辞めてもいい。君のかわりはいくらでもいる。」と元請けから大幅な値引きを強要され、オンリーワンの独自製品を開発して脱下請けを目指した会社だ。
薄さ1.5ミリの鉄鋳物のフライパンは、軽さに加えて熱効率が非常によく、たちまち世界も注目するヒット製品になった。しかし、開発までに要したのは9年の歳月。誰もなし得なかった超極薄の鉄鋳物は、従来の技術の3倍難しいという。「2倍難しいではダメ。すぐに真似される。」
錦見泰郎社長は難題に挑んだ理由を教えてくれた。神谷さんはこの会社を、 常識を破る世界初を目指すフロンティアスピリッツが不可能を可能にしたと分析。そして、チャレンジする中小企業に向けてエールを送った。
「(前略)いま、小さな会社がでっかいことをやり遂げている。常識の陳腐化に成功している。そう、答えはひとつだけではない。彼らが教えてくれたのはこのことだった。(中略)みんな戦っている。僕らはどうだろう?」
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