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2006年6月16日(金)放送
「動物たちに帰れる森を」
~日本熊森協会の壮大な夢~
1992年、尼崎市の中学校で生徒が持ってきた1枚の新聞記事が全校生徒に衝撃を与えました。 「ツキノワグマ、人間の環境破壊により絶滅寸前」 狩猟と有害獣駆除で殺されていく熊たちの姿に、胸の痛みを抑え切れなかった生徒たちは自分たちで自然保護団体を結成します。

熊による被害を防ぐために駆除は仕方のないことなのだろうか?調べてみるとそうではないことが分かりました。人里に熊が出現するのは、山が荒れて食べ物が なくなったからなのです。殺すだけでは問題は解決し ない。熊が安心して暮らせる豊かな森を残すことが、結局は熊による被害をなくすための道だったのです。 生徒たちは署名を集め、兵庫県知事にも直接会って訴えました。その結果、1994年5月から兵庫県では ツキノワグマの狩猟が禁止に。

ところが、その後も森 は荒れていくばかりです。たくさんの人を巻き込んだ 森復元の大きな流れを作らない限り、日本の自然も野 生動物も滅んでしまいます。そこで1997年に結成されたのが『日本熊森協会』。 中学生たちが始めた熊を守る活動は、動物の棲める豊かな森を復元するという壮大な夢となって、いま少し ずつ、そして確かに広がっていっています。