熊による被害を防ぐために駆除は仕方のないことなのだろうか?調べてみるとそうではないことが分かりました。人里に熊が出現するのは、山が荒れて食べ物が なくなったからなのです。殺すだけでは問題は解決し ない。熊が安心して暮らせる豊かな森を残すことが、結局は熊による被害をなくすための道だったのです。 生徒たちは署名を集め、兵庫県知事にも直接会って訴えました。その結果、1994年5月から兵庫県では ツキノワグマの狩猟が禁止に。
ところが、その後も森 は荒れていくばかりです。たくさんの人を巻き込んだ 森復元の大きな流れを作らない限り、日本の自然も野 生動物も滅んでしまいます。そこで1997年に結成されたのが『日本熊森協会』。 中学生たちが始めた熊を守る活動は、動物の棲める豊かな森を復元するという壮大な夢となって、いま少し ずつ、そして確かに広がっていっています。