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2006年2月24日(金)放送
無限の可能性を信じて
~小さなNGO「NAP JAPAN」の大きな夢~

4年前、タイ北部の小さな村で1人の少女が息をひきとりました。将来、学校の先生を夢見ていた彼女は8歳。HIVの感染患者でした。最後はガリガリに痩せ細り、起き上がる体力すら奪われ、それでも勉強した死の直前まで彼女が大事に抱きしめていたぬいぐるみは、3日前に日本人の青年が手渡したもの。少女の死はその青年にも大きな衝撃を与えました。

同じ人間なのに有り余るほどの食料や物資に囲まれて多くの希望や選択の機会を有して育つ者もいれば、生まれたときから今日明日の食べ物にも困り、病気に罹っても十分な医療を受けることもできず、自分のやりたいことを続けられずに死んでいく幼い命もあります。

それを目の前にして、青年は自分の無力を感じると同時に、「こうした現実を広く世界の人々に伝えたい。そして、エイズやその背後にある構造的な格差の問題に最大限貢献できる仕事を一生やりたい」と思いました。青年の名は神谷祐介さん。

2年後、神谷さんは国際協力NGO「NAP JAPAN」を立ち上げました。子供たちが持っている無限の可能性。それを表現する環境を整えることで世界をより良い方向に変えていきたい。たった1人のNGO活動は、今、静かに、そして確実にその輪を広げていっています。