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2005年11月25日(金)放送
自立のためのわかちあい

 1980年、アジアの人びとの健康の増進を目的として設立されたアジア保健研修所  通称AHIこの研修所を立ち上げた医師の川原啓美さんは、29年前ボランティア医師としてネパールの小さな町で働いていました。早朝から深夜まで手術に明け暮れる日々・・・ある日、一人の女性がやってきました。診断の結果は悪性の皮膚がんで、右足を切断しなければ余命は半年・・・しかし彼女は「足を切らないで」と言ったのです

「死ぬのは悲しいけれど、私が死んだら、夫に新しい妻が来ます。健康な妻なら働けるし、子どもの面倒も見てくれるでしょう」と・・・自分の命より家族を大切に思う言葉に衝撃を受けた川原さんは考えました。「病院で患者を待つのではなく、保健や生活の改善について村の人と一緒に考える保健ワーカーを増やせば、より多くの人びとが健康に過ごせるのではないか・・・」そして設立されたのが、アジア保健研修所AHIです。

設立以来25年、AHIはアジアの貧しい国の人びとのために働く保健・福祉関係のワーカーを一人でも多く作り出そうと、国内はもとよりアジアの数カ所で、研修事業を続け、すでに500人以上もの人々がアジア各国で活躍しています。今回はAHIで行なわれた2005年度の研修の模様をご紹介しながら、アジアの人々のために活動を続けている川原さんの思いに迫ります。