千葉・亀山ダムでブラックバスを狙う。春、産卵前のブラックバスは深場から浅場へ移動し、水面に覆いかぶさるような木の枝や草、水中に沈んだ木々などの障害物に身を隠す。こうした障害物に魚がピッタリ張り付いているような場合、従来の釣り方では不十分だった。ベイトタックルでは使うルアーが比較的大きいため、警戒心の強いバスが口を使わない。かといって、小さいルアーが使えるスピニングタックルだとラインが細いので、ヒット後のやり取りにラインブレイクの不安がつきまとう。そこで両者の弱点を穴埋めするのが、近年話題になっているベイトフィネスなのだ。
ベイトフィネスとは、軽量のリグ(ワームを使った仕掛け)や小型プラグと8lbクラスのラインを使い、ベイトタックルで攻める釣り。ベイトタックルの性能が格段に向上したため、キャスティングの正確性や巻上げパワーなど従来の利点を活かしつつ、スピニングタックル並みの小型ルアーが扱えるようになった。
撮影は寒暖の差が激しい4月の中旬、千葉県亀山ダムで行われた。毎日水温が乱高下し、しかも釣り人が入れ替わり立ち代りポイントを攻めるため、魚のプレッシャーは異常に高い。そんなタフコンディションの中、ベイトフィネスを実践するのは、バスプロ赤羽修弥。2008年から3年連続でバサー・オールスター・クラシック(所属団体を超えたトップアングラーが集まるビッグトーナメント)を制した実力者。赤羽は、2009年、2010年のタイトルをベイトフィネスでもぎ取った。今、最も旬のバスプロが、亀山ダムのバスをベイトフィネスで攻略する。