第395回「武陵源<7>」
~武陵源に生きる人々~
2017年9月21日(木)放送
この地には昔からトゥチャ族やミャオ族、ペー族といった民族が暮らしている。彼らの多くは山を背に楼を建てて住まいとしてきた。空中に浮かぶ家屋は湿気や寒さから住人を守り、蛇や虫が侵入するのを防いでくれる。この地を流れる水路を辿って行くと、昔ながらの美しい街へと流れ着く。この街は「鳳凰古城」と呼ばれており、こちらも世界遺産登録を目指している。
第394回「武陵源<6>」
~武陵源の奇岩に残る伝説~
2017年9月14日(木)放送
武陵源で最も有名な岩が、籠を背負ったごとく見える「薬草摘みの老人」である。この岩にはこんな伝説がある。明の時代、この地で向王天子という指導者が反乱を起こした。しかし明の大軍に追い詰められ、向王天子とその部下たちは、ことごとく谷に身を投げた。向王天子に仕えていた薬草摘みの老人は山から戻り、それを知ると悲しみのあまり石になったという。
第393回「武陵源<5>」
~奇岩が林立する桃源郷~
2017年9月7日(木)放送
中国ではその絶景を「奇峰三千、秀水八百」と称える。摩天楼のように奇妙な石柱が林立し、その下には幾多の美しい水が流れている。世にも珍しい動植物がその営みを謳歌し、そこに暮らす人々もまた、古くからの美しい伝統を守っている。この地は現世に今なお残る桃源郷。物語の続きを始めよう。世界自然遺産「武陵源」。
第418回「黄龍の景観と歴史地域<10>」
~最後の絶景、五彩池~
2017年8月31日(木)放送
標高3100mのスタート地点から、南へ向かって登って行く黄龍の旅。その最も上にあるのが「五彩池」だ。標高およそ3500m。黄龍で最も多い693の池からなり、総面積は2万平方メートルを超える。石灰華の白さが最も際立っており、五色に輝く水面の美しさは格別である。
第417回「黄龍の景観と歴史地域<9>」
~時が止まったかのような鏡の池~
2017年8月24日(木)放送
黄金の龍の背中、金沙鋪地を抜け、黄龍をさらに登って行くとあるのが「明鏡倒映池」。この池の水は鏡のように滑らかで、水面に逆さに映る景色が幻想的な雰囲気を醸し出している。この先は、折り重なる棚田のような池がさらに数を増していく。「争艶彩池」は黄龍で2番目に多い、658の池からなっている。様々な形の池が見られ、色彩も豊かである。
第416回「黄龍の景観と歴史地域<8>」
~黄金にきらめく龍の背中~
2017年8月17日(木)放送
黄龍の渓谷をしばらく登っていくと現れる「金沙鋪地(きんさほち)」。1.3キロに渡る黄金の渓流である。ここには棚田のような池は形成されておらず、石灰化した金色の川底が見える浅瀬となっている。ゆるやかに流れる透き通った水。その様は龍が背中をうねらせているかのように見える。遠くから眺めれば、それはまさに、金色の龍が天へと昇っていくが如くである。
第415回「黄龍の景観と歴史地域<7>」
~人々を出迎える水の芸術~
2017年8月10日(木)放送
標高3100mの黄龍の入口から歩き始めて、最初に出迎えてくれるのは「迎賓池」。炭酸カルシウムが沈殿して出来た棚田のような池が折り重なり、その数は350を数える。そして、輝く宝石が飛び散るように流れ落ち白絹の如き筋を描きながら地に注ぐのは「飛瀑流輝」と呼ばれる滝。澄んだ水と美しい輝きを放つ黄龍の光景は古代の石灰岩が水に溶け、沈殿して形成された。壮大な地球の営みが生み出した芸術である。
第414回「黄龍の景観と歴史地域<6>」
~黄金の渓谷、黄龍~
2017年8月3日(木)放送
四川省の山中に佇み、この世のものとは思えない美しい池に囲まれる「黄龍古寺」。祀られているのは黄龍真人という仙人だ。伝説によると、古代の王・禹(う)が船に乗っていたところ、急流に阻まれた。その時、禹の父・黄龍真人が龍となり、船を背負って助けたという。古くからこの一帯は「黄龍」という地名で知られている。物語の続きを始めよう。世界自然遺産「黄龍の景観と歴史地域」。
第400回「西逓・宏村<16>」
~彫刻の傑作「三絶」~
2017年7月27日(木)放送
宏村がある地方の建築様式、徽派建築の傑作とされる、「承志堂」。徽派建築の彫刻は、石、レンガ、木彫の三種からなり、その見事さは世に「三絶(さんぜつ)」と呼ばれている。その中でも圧巻なのが木彫である。20人の職人が4年の歳月をかけて完成させたもので、およそ5キロもの金箔が施されている。
第399回「西逓・宏村<15>」
~贅を尽くした宏村の建築~
2017年7月20日(木)放送
宏村出身の大商人、汪定貴(おうていき)の邸宅「承志堂」は清王朝末期の1855年頃に建てられた。宏村で最も豪奢な古民家であり、保存状態も良い。面積は2100平方メートルで、建物は合計7つ。様々な用途に合わせて部屋が分かれており、部屋数は実に60を数える。「承志堂」は安徽省の民家建築の最高傑作と呼ばれている。