テレビ大阪

かがくdeムチャミタス!毎週土曜あさ9時30分~

7月17日(日) 放送

世界が注目!
湖に沈む「歴史のものさし」とは?

福井県にある三方五湖。 その湖のひとつ、「水月湖」に沈む、世界が注目する「お宝」とは!? 「歴史のものさし」とも呼ばれる、「年縞(ねんこう)」のしくみで大実験!

世界が注目!<br />湖に沈む「歴史のものさし」とは?
水月湖の「年縞」は、どうやってできるの?
「年縞」は、春から夏にかけて、湖に発生する藻など、プランクトンの死骸が積もった黒い部分と、水から分離した鉄分や、大陸からの黄砂などが秋の終わりから冬に積もってできた、白い部分の2層が交互に積み重なってできています。
1年で、平均0.7mmの層ができるそうです。
世界基準になる「年縞」が、なぜ、水月湖にできたの?その奇跡の“条件”とは!?
水月湖に年縞ができるための、1番の条件は、湖底にたまったものが、壊されないこと。
壊されてしまう原因のひとつは、生き物が湖底に、巣をつくってしまうことなのです。
しかし、水月湖は、以下の3つの条件が奇跡的に重なり、年縞がきれいに残ることができたのです。

①底が深い…水月湖は底が深く、酸素がありません。
そのため、生き物がほとんどおらず、巣穴を作って年縞を壊される確率が低い。
②山に囲まれている…山に遮られて強風が吹かないので、年縞を乱す大きな波が起こらない。
③流れ込む大きな川がない…土砂や酸素を含んだ水が入ってこないので、生き物が生存できない。
水月湖に、「年縞」ができるしくみを、大実験!
水月湖に、「年縞」ができる条件として、湖底に酸素がなく、
生きものがいないということがあげられますが、
この状況を作り出しているしくみは、水月湖の水温にも秘密があるのです。
水は、4℃が一番重いといわれていますが、
水月湖の水は、氷河期に4℃程度まで冷やされました。
その後、温暖な時期になると、4℃の冷たい水は、重いので湖底に沈み、酸素を含む、水面近くの高い温度の水と混ざらなくなったのです。
これを再現するために、透明のケースに、まず、お湯を注ぎます。
その後、冷たい色水を注ぎいれると・・・
冷たい色水が、お湯の下に移動し、その上に、お湯の層ができました。
このように、水月湖も、温度の低い水が湖底に、それよりも温度が高い水が表面近くになる2層のつくりが出来上がっているのです。
協力先
中川毅(立命館大学古気候研究センター長)
詳しくはこちら
ギモンを質問する
応募する
がくやdeムチャミタス!